はじめてのタイ #1 Kad Kokoaのチョコレートを買いにバンコクへ

東京の花粉症シーズンが本格化してきたので、逃避行をかねてバンコクに遊びに行ってきた。PM2.5のせいで学級閉鎖というニュースを見たのでちょっと不安だったけど、3泊でみるみるうちに元気になったので2〜3月の海外逃亡は正解だなと思いました。

実は昨年末にシンガポールに行った時に、友人がタイのチョコレートのお土産をくれて、それがとってもおいしかったので行ってみたいなと思っていたのでした。あと、同じく友人宅で飲ませてもらったタイのジンで作ったジントニックが美味しすぎた。

まさかこんなに早く実現するとは予想外だった。今年はとにかく行けるうちに海外に行くように心がけている。

 

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というわけで、今回の旅のメイン目的といっても過言ではないチョコレートショップがこちらのKad Kokoa。

Kad KoKoa
1076 Naradhiwat Rajanagarindra Rd, Khwaeng Thung Maha Mek, Khet Sathon, Krung Thep Maha Nakhon 10120 タイ
+66 83 684 3921
https://goo.gl/maps/QMoyhRsqc5v

 

タイ産のカカオ豆を使って作ったチョコレートを販売しています。カカオ豆って南米やアフリカのイメージが強かったので、タイでも育てられるんだ〜とびっくり。

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ショップとカフェが併設されていて、ショップではタブレット中心に販売。テイスティングもできます。ショップの奥で製造してるのが見えるのも面白い。

下の画像はテイスティングエリアで、左側にあるのがフレーバー別、右側はカカオ豆の産地別。産地でこんなに味が違うのか…と衝撃でした。自分のお気に入りを見つけるのもたのしい。

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パッケージもカラフルで可愛い。箱の中は空っぽで、買いたい商品を指定するとその場で製造してくれます…!

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今回は紫蘇の実やヘーゼルナッツがあってテンション上がった。紫蘇の実と、テイスティングして気に入ったPrachuap産のタブレットなどなどを買いました。

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香港で日本酒とのコラボイベントをしたり、積極的に展開しようとしているとのこと。いつか日本に来たら嬉しいな。

 

となりのカフェではチョコレートを使ったケーキやボンボン、ホットチョコレートなどをいただけます。

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今回私たちが食べたのは、チョコレートケーキ(手前)と塩キャラメルタルト、ホットチョコレート

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チョコレートケーキ、表面がつやつやで美しい。しっかり甘くて甘党大喜び。

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ホットチョコレートは飲むチョコレートという感じで、割と酸味と苦味のしっかりした濃厚な味。マシュマロを溶かして味を変えたりして楽しみました。

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塩キャラメルタルトは正直予想外の大ヒットで、上に乗ってるシューとクリームがめちゃくちゃおいしかった……。甘いんだけどさっぱりしてるのですぐなくなっちゃった。

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ちなみにメニューにはコーヒーやお茶(水筒に差し湯を入れてくれた)もあるので、甘いものをエンドレスで食べるのはちょっと…という方でも大丈夫だと思います。

 

さて、実は今回たまたまお店新しく入った方がが同行者の友達の知り合いで(私にとっては完全にラッキーです)、カフェで寛いでいたら特別に製造過程を見せてくれました…!

『チョコレートの世界史』*1なんて本を読んだりしてチョコレートについて勉強中だったのでとっても嬉しかった。百聞は一見にしかずですね。

 

まずは、お店の裏で育ててるカカオ豆。葉っぱの下の出っ張りがカカオ豆らしいです。想像と違ってなんかかわいい…家でも育てたい!と思ったけど虫が凄そうですね。「空港で引っかかるよ」と止められました笑。

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カカオ豆は発酵させたものを乾燥させるらしいのですが、乾燥(というか天日干し)現場を見せてもらいました。屋根の上に無造作に置いてあるんだけど、鳥とか狙わないのだろうか…。

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「このカカオ豆は今日乾燥させ始めたばかりなんだけど、試しに1つ剥いてみようか」「えっいいんですか…」

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茶色くない!紫!酸化する前はこの色で、放っておくとどんどん茶色くなっていくらしい。

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ここまで見せてもらって、生でカカオ豆を見たのは多分初めてだったのでとっても感激して、チョコレートほんと好きだから嬉しいありがとう!!!と伝えて席でお茶してたら、再び「チョコレートを作ってるバックヤードを見てみない?」とお声がけいただいて、ほいほいついていきました笑。

 

カカオ豆を砕いてひたすらまろやかにする機械。この段階ではまだちょっとざらざらしている。これも試食させてもらったんだけど、まだ苦味が強すぎた。

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複数の撹拌器で割合を変えながらテスト中。この段階ではもうなめらかですね。

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この時は3種類あって、これもテイスティングさせてもらった。豆は同じでも比率でまろやかさや酸味が全然違うのがよくわかって面白い。

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まさかこんなに隅々まで見せてもらえるとは思ってなかったので、本当に楽しかった!見渡す限りチョコレートに関係するもので幸せだったな…。友人に感謝ですね。

 

チョコレート、奥が深すぎてワインやコーヒー、チーズと同じ世界だなと最近思っている。Kad Kokoaで知り合った方にはタイのカカオ農園に連れて行ってあげるよ!と言ってもらったので、年内にまた行きたいなと目論んでます。

バンコクではマッサマンカレーなどおいしいタイ料理もたくさん食べたので、その辺りはまた別の記事で書きます。すっかりタイ料理の虜なので、都内のタイ料理レストランめぐりもする予定。おすすめがある方教えてください〜!

 

*1:私が読んでいた本はこれです。

面白かった部分をざっくり抜粋。カッコ書きは心の声です笑。歴史についての記載が多くありつつも、カカオニブとかココアバターってなんなの?というような素朴な疑問も解決してくれる良書でした。

  • チョコレートを大衆が食べられるようになったのは産業革命後のイギリスで大量生産され、酒の代わりに労働階級のエネルギー補給としてポピュラーになったから
  • カカオ豆は収穫後まず苦み渋みを緩和させるために発酵させる。ポリフェノール量も減少する
  • カカオ豆はポリフェノール含有量の異なる3種がある。希少なクリオロ種、生産量の多いフォラステロ種、二つを交配させた改良品種のトリニタリオ種
  • もともとマヤやアステカでカカオ豆を砕いて苦いまま飲んでいたが、スペインが支配階級となり甘くされた。また、熱くして飲むようになったのも最初はスペイン人
  • ココアの普及→カトリックイースター前などに断食する習慣があり、薬品で液体であれば断食中も摂取可だったから。食品で固体だと不可
  • ポルトガルの宮廷にはココア担当官がいたらしい(なりたい~~)。高級品であるカカオを客に提供できる=金持ちの証というマウンティング合戦
  • ベルギーではもともとモールド製造業が地場産業だったので、プラリネ製造の際にも使った。チョコを流し込んで固めてからフィリングを詰めるため外は固まり、厚みのある外枠になる。中が柔らかくても崩れない。フランスは逆で、フィリングを完成させてからチョコをかけるので薄く繊細(めちゃくちゃ納得感ある)。
  • 1940~50年、日本国内のカカオの輸入が止まったので代用品を用いたチョコレート開発が進んだ。カカオの代わりにゆりね、チューリップ球根、オクラ、チコリ、芋や小豆……(そりゃギブミーチョコレートだわ)