すっごく今更、LA LA LAND

タイトルの通り。観てすぐには言葉に出来なくて、でもいつか観て感じたことを書きたいと思って、あれから4ヶ月経ったいまやっと書けるような気がする。

評論なんて大それたものではなく、あくまでもこの映画と私との距離でしかないのだけど、もう上映も大体終わってTwitterでも特にこの作品名を見かけなくなった今、音楽や瞬間瞬間のシーンを思い出すということは私の記憶に残っているということで、だから自分にとって書いておく意味はあると思う。

 

LA LA LANDを記憶している理由はタイミングが大きい。結婚式・入籍を約1週間後に控えた2/24、当時の婚約者であるところの夫が海外出張に行っていて久しぶりに一人きりで数日生活した最終日、映画好きの人が面白いと言っていたからというだけの理由で観に行った。まだ寒かったけれど映画館ではジンジャーエールをのむときめていて、品川のIMAXの巨大なスクリーンを前にちびちびと飲んでいた。

エマ・ストーンの肩から二の腕のラインがセクシーで好き。もっとワンピース着てほしい。音楽に引っ張られている映画だと思った。"A Lovely Night"のところでは歌詞にくすっと笑って、でも気づいたら二人が恋人になっていて驚いた。似た境遇の相手を好きになるとき、それは相手のことが好きなのか、それとも自己投影できる相手だから好きなのか、ごっちゃになってしまいそうだな、と思った。ミアはセブで「成長でき」るの?(©︎映画モテキ)的な。

色々引っかかるシーン(好きなのか嫌いなのかよくわからないけど、なぜか印象強く覚えている、という意味で)はあったけれど、最後の方はただただ残酷に感じられて、つらかった。だから上映後いちばん初めに思ったのは、「観てしまった…」。この映画は私にとってラブロマンスじゃなくてファンタジー。だって「あのときもし違う道を選んでいたらどうなっていたか」なんてファンタジー以外の何者でもない。しかもそのifが、現実と一緒に並べられるなんて残酷すぎる。

一人で観てよかった、とも思った。私の隣で花金を過ごしたカップルはどう思ったんだろう。上映後気まずくなかったのかな。少なくとも私はもう隣にいない、かつて隣にいた人たちに一瞬もしくはそれ以上思いを馳せた。それはあのころに戻りたいというような未練ではこれっぽっちもなくて、ただただ反実仮想、ただしこの上ないリアリティを伴ったもの、だったのでごりごりメンタルを削られた。しかも式直前、「今日はこれまでの人生で一番幸せ!」オーラを出そうという日が近づいているときに観る映画じゃなかった……。それなりに忙しかったからずっと引きずったわけではないけれど、それでもtwitterでその名前を見たり、音楽を聴いたりするだけで、劇場で感じたあの気まずさ、残酷さ、居心地の悪さ、を思い出していた。

 

で、ハネムーンの機内で『秒速5センチメートル』を観て思ったんだけどこの二つは似てる。と思って検索したら結構言及してる人がいて、まあそうですよね…って感じ。

ただ、あくまで『秒速〜』は現実的であるのに対して、LA LA LANDは演出的に夢→現実の浮遊感があって、それがますますファンタジーっぽさを感じさせているのかなと思った。

私はLA LA LANDで泣いたけど、『秒速〜』はさっぱり。あとはLA LA LANDの方が今の年齢に近いからっていうのもあるのかなあ。『秒速〜』で泣いた男性諸氏がLA LA LANDを観てどうだったのかも気になります。

 

しかしサントラ聴いてるとすごくルンルンになれるのに、映画のあらすじ思い出すとうっ……ってなる映画もなかなかないね。